小太郎日記

Posted on 2016-01-08
地域新聞ショッパー(八王子・日野版)に掲載頂きました

ショッパー2<ショッパー八王子・日野版:2016年1月 新年号>

日々重ねる稽古 その集大成がお座敷
近年、若手も増え市外からも注目を集めつつある八王子芸者。「花柳」と聞くとちょっと敷居が高い別世界のイメージもありますが、八王子は芸者さんとお客の距離が近いのが魅力の一つです。そんな八王子芸者の素顔に迫ります。
中町にある置屋・ゆき乃恵。黒塀と柳に囲まれた風情のある一角で13年目の小太郎さん(=小)と8 年目の菜乃佳さん(=菜)に聞きました。

芸者になったきっかけは?
小「元々踊りが大好きで習っていました。宮城県から出てきて会社員として働いていたんですけど、テレビで新橋の芸者さんの『東(あづま)をどり』を見て、自分もやりたいなと」
菜「中学生の時に受けた三味線の授業が面白くて。続けるには芸者という道もあると家族と相談して」
そしてインターネットでゆき乃恵を探しだしたお2人は女将のめぐみさんに出会い、その美しさと人間性に魅かれ、この世界に入ったそうです。

芸者さんの一日は?
小「お座敷があればどんな踊りをやろうか事前に仲間と相談して一緒に合わせることなどが多いです」
菜「お稽古はお茶に踊り、三味線、謡い、鼓、書道など色々やっています。何を極めるかは自由なんです」
なかでも茶道と舞は所作を学ぶために必須。それら稽古代は自分で払っているそうです。お辞儀姿の美しさなどは、まさに日々の稽古のたまものです。

芸者になって良かったことは?
小・菜「シンプルですけれど“ありがとう”“楽しかったよ、また来るね”の言葉をいただくことですね。うれしくてこちらまで元気になります」

町会など団体から声がかかることも多くなったそうです。さてそんなお二人のプライベートは?
最近は女性客も増え女子トークが盛り上がりメークの話題になる事も。独特の白いお化粧は自分でしますが、肌の負担も大きく、かゆくなったり、痛くなったり。特に一月は毎日お座敷があるのでお手入れが大事です。

これだけは欠かさないという美容のポイントは?
小「それを昨日からずっと考えていたんですよ!(笑)。と言いつつあまりなくて・・・。季節の果物を毎朝食べることかな」
菜「私は食事をする時に野菜から食べるようにしています」

置屋のイベントなどはありますか?
小「何年か前の韓国旅行では皆でよもぎのエステして、楽しかったわよね~」
菜「女子旅、満喫しました」
小「御岳山に登って宿坊に泊まったことも。スキーにも行ったわよね」
菜「それ私、行けなかったんです~、かなり残念」
オフは旅行にスポーツと実に活動的です。

2016年はどんな年にしたいですか?
小「昨年、新しく菊よしというお部屋を持たせて頂いて今までのように気軽に話せる子が近くにいなくなって淋しいときもあります。だから新しい子を早く迎えて、私がめぐみお母さんにしてもらった事をしてあげたいなと思います。」
菜「私は皆さんが笑顔でいてくれたらうれしいです」

お二人の素顔をゆき乃恵の女将・めぐみさんに聞きました。
「小太郎ちゃんは前向きな頑張り屋。持ち前の明るさは芸者の中でも輝いています。菜乃佳ちゃんは19歳の時、一人で静岡から出てきてびっくりしましたけど、芸が大好きで天性の表現力もあります。今年も皆で切磋琢磨していきますのでよろしくお願いいたします。」

普段は近くを自転車で駆け抜けている小太郎さん。ドラマにも出演した菜乃佳さんは道でよくお客様に声をかけられるそう。個性豊かな八王子芸者。今年も市内のあちこちで出会えるかもしれません。

 

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